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掛川市『副市長』を務めて

コラム

郷土新聞様の記事や連載コラムを通して、久保田たかしの掛川市副市長としての活動を紹介させていただきます。

【vol.6】『SDGsとエネルギー』(2020年2月)

最近、SDGsのバッジを市役所の職員が着用し始めました。SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2015年に国連で採択された17の目標を指します。

国連の目標といっても、水や気候変動、公平や協働など、もともと行政が取り組んでいたものも多いので普遍的で身近な目標と言えます。

このSDGsの目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」にも関係しますが、掛川市では本年、再生可能エネルギーの地産地消のため、新電力会社の立ち上げを計画しています。現在市内でも太陽光発電や風力発電施設がありますが、こうして発電された電力は必ずしも市内で使用されていません。

これらの電力や家庭の太陽光発電のいわゆる「卒FIT」(太陽光発電による過剰電力を高値のFIT価格で売電できる期間が満了すること)を今後設立する新会社が買い取らせていただき、市内の公共施設などを中心に順次クリーンな電力に切り替え、市内で再生可能エネルギーを使用するようにします。

会社に利潤が生じれば、廃棄物のスマート収集など地域課題の解決に役立てることも考えています。

節電に取り組みながら、余剰電力をできる限り地域内で使用し地産地消と地域課題解決に役立てる。これはまさに報徳思想の「分度」と「推譲」ではないかと思います。

他にも、紙オムツのリサイクルも取り組んでみたいテーマです。

平成はリサイクルが進みましたが、令和はさらに進化して、全てをリサイクルして廃棄物をゼロにする時代だと予測しています。

【vol.5】『りんごの木』(2020年1月)

新年明けましておめでとうございます。

年末に、以前仕事をした陸前高田市を訪問しました。昨年9月に完成した国営追悼記念施設・津波伝承館・道の駅の一体化に初めて足を踏み入れて、津波の脅威を伝える展示物や語り部の話に耳を傾けるとともに、後背地に整備された12.5メートルの防潮堤の上に設けられた鎮魂の丘から海に向かって黙祷しました。

津波により1800人もの人が亡くなった同市の人口は、少子化の影響もあり減り続けていますが、こうした施設が防災学習の拠点になりつつあります。

平時の訓練では危機意識を養うのはなかなか難しいですが、被災地に足を運ぶとこのままではいけない、地元でも何かしなければならないという気持ちになります。

同地を再訪した目的のもう一つは、りんご狩り。在任中から「オーナー制度」に基づき借りていた「りんごの木」から15箱ほどのりんごが今年も収穫できました。

オーナーは収穫だけでなく、草取りや玉回しなどの作業もしなければならないのだと、リンゴ園のおばあちゃんに叱られますが、年に1回となったりんご狩りは我が家の娘たちも楽しみにしています。

一度の訪問だけで終わらず、リピート訪問する理由となるこの制度は、掛川でもできるのではないでしょうか?

パッと思いつくのはお茶の木。

自分だけのお茶の木から収穫された茶葉で淹れたお茶を飲むのは素敵ですよね。お茶摘みをしたことがない人は世の中に多いので、お茶の木のオーナー制度は人気が出るかも知れません。

本年は茶エンナーレ、報徳サミットの年で

【vol.4】『高校生発表と台湾のホスピタリティ』(2019年12月)

11月6日に掛川西高校生徒による「20年後の掛川市」についての発表を聞きました。掛川市が行う総合計画の改訂を念頭に、将来ビジョンを高校生とともに考えようとのことで、本欄の執筆者である宮城真由子さんにも議論のファシリテーターとして加わっていただきながら、計4回のワークショップを重ねてきたのです。

高校生から出てきたアイデアは「分散型ホスピタリティタウン」。

空き家を多種多様な宿泊施設に改装し、人々のつながりを通じて地域課題の解決を図りというアイデアです。

ホスピタリティとはどういう意味でしょうか。

「おもてなし」と訳されますが、先日、小泉進次郎環境相と結婚した滝川クリステルさんが、2013年に国際オリンピック委員会のIOC総会で東京招致のプレゼンテーションで使われましたのもこの「おもてなし」という言葉でした。

ホスピタリティの語源を調べてみると、ラテン語のホスピス、病気や飢えの旅人をケアをするなど修道院での看護を指すそうです。

実は最近、学会発表会のために台湾を訪れる機会がありました。

台湾の人々のもてなし方は、これでもかというほどの大ボリュームの料理と酒に加え、観光名所やマッサージなどへの押し付けがましいほどの丁寧な案内。

親日的でフレンドリーで濃密な台湾に圧倒されました。

高校生は、テクノロジーが進化するからこそ、20年後も大切にしたいことは「人とのつながり」であるとし、流入人口を増やして掛川をさらに元気にしたいと語りました。

相手の意向を尊重することはもちろんですが、台湾のように郷土に強い誇りと自信を持って、濃密におもてなしすることも、これからの掛川に必要かも知れません。

【vol.3】『台風19号に思うこと』(2019年11月)

10月12日に発生した台風19号に際して、被災した皆様に心からお見舞い申し上げます。

当日私は、市役所に設置された災害対策本部に詰め、掛川市でも幾つかの河川が氾濫危険水位を越えてきたので、まずは曽我など一部区域、次いで市内全域に避難勧告を発令させて頂きました。

あと1時間雨が続いていたら、堤防が決壊していたのではないかという声も聞かれました。

幸いにして、人的被害はなかったのですが床上浸水6件及び床下浸水19件、停電800戸、花屋敷の地滑りの他、道路冠水、がけ崩れ等による道路被害、倒木、土砂災害などがありました。

74歳の父に当日のことを聞くと、パソコンで逆川の水位を見ていたそうです。

それを聞いて、自宅でおとなしくしていればよかったと思いました。現地を見に行くのは危険が伴いますので。静岡県の河川水位や雨量は、インターネット上の「サイポスレーダー」で誰でも見ることができます。

金城橋、細田、国安など市内12箇所の河川水位がリアルタイムに確認できますので、避難の参考にしてください。

10月8ひの防災講演会でも話しましたが、命を守るために何よりも重要なことは「逃げること」。避難所に行くことだけでなく、自宅が安全なら不要な外出を控えることも立派な非難です。

今回から従来の同報無線と防災ラジオ、防災メールでの配信に加え、ツイッターやFacebookなどのSNSでも非難勧告等の情報発信を始めました。

台風の際には窓を閉めるため、同報無線が聞こえにくくなりますので防災メールやSNSもご活用ください。併せて懐中電灯やラジオに加え、電池式の携帯電話充電器等、停電への備えもしたいものです。

【vol.02】『掛川の日本一を探して』(2019年10月)

グランドピアノ生産日本一、自動車関連部品ではワイヤーハーネス世界首位、ゴルフカー国内シェア80%で日本一、日本最古の信用金庫、コネクタ業界世界一の企業。

これらの企業はどこにあるかご存知でしょうか。
実はいずれも掛川市内の企業です。

ヤマハ㈱、矢崎部品㈱、ヤマハモーターパワープロダクツ㈱、掛川信用金庫、タイコエレクトロニクスジャパン合同会社がその答えです。他にも、マキアージュなど口紅生産を一気に担っている㈱資生堂掛川工場などがあります。
これらを合わせて、年間の工業(製造品)出荷額が1兆円を超えるのが掛川市です。

陸前高田市で、企業誘致を手がけたことがあります。
ところが、実態はとても厳しいものでした。被災地ですから、多くの企業が関心を寄せてくれました。

できるだけのことをしたいとも言っていただきました。ところが、具体的な話になってくると「申し訳ないけど久保田さん、陸前高田のようなアクセスが悪いところには工場も営業所も出せない」と断られてばかりでした。
そういう企業誘致の厳しさを知っている私の目からすると、そうそうたる企業群が立地する掛川市は、アクセス面などで非常に恵まれていると映ります。

「掛川にはなんもない」と言う声も聞きます(私も高校生の頃はそう思っていました)が、決してそんなことはありません。企業訪問をさせていただくなかでそう思いました。
報徳思想と生涯学習が根付くお茶のまち掛川の「日本一」を、これからも探していきたいと思います。


【vol.01】『25年ぶりに掛川に戻って』(2019年9月)

みなさん、こんにちは。掛川市副市長の久保田崇です。
今年の4月、25年ぶりに掛川市に戻ってきました。

青葉台出身で掛川西高校を経て京都に進学し、東京、イギリス、岩手県陸前高田、京都で仕事をしてきました。
掛川に戻っての印象は、気候や交通アクセスの良さを生かした企業立地や文化・芸術に恵まれていることです。
県外の人には羨ましい条件が揃っています。

これまでの仕事で特に印象に残っているのは、2011年に発生した東日本大震災の津波で壊滅した陸前高田市での復興の仕事です。
同市は人口規模で2万人ほど、掛川の大東地区と同じくらいの街ですが、津波により1800人もの方々がお亡くなりになりました。
地震が発生してから津波が到着するまでに30分ほどの時間がありましたが多くの人が逃げ遅れました。
大丈夫だと油断した人、到達直前に避難して間に合わなかった人、足が悪くて逃げられなかった人、家族などを助けに行って逃げ遅れた人、様々なケースがありますが30分の間に一目散に逃げていれば、多数の命が救われたと考えられます。

掛川でも、東海地震や南海トラフ地震の発生が想定されています。
みなさん、ご自宅の家具の固定や避難場所の確認、備蓄品などは十分でしょうか。
最近豪雨や台風などの小規模災害が頻発していますが、過去の教訓を生かし、掛川では死者を1人も出さないことが私の願いです。

今後も小欄では、防災に限らず様々な課題を取り上げていきたいと思います。
市民の皆さんとお話しさせていただくのを楽しみにしておりますので、街で会ったらどうかお気軽にお声がけいただけると嬉しいです。